夏休みに、開化堂のカフェへ in Kyoto
夏休みに開化堂のカフェに行ってきました。
開化堂と言えば、すーっと蓋が滑り落ちる茶筒で有名な京都の老舗。創業は明治8年(1875年)といいますから、なんと今(2016年)から141年前!
開化堂の茶筒は、130を越える工程を経て作られるそうですが、もちろん全てが手作業。
鍼灸師という職人をしている私にとって、こういう手に職のお話しはとっても興味深いものがありますが、その開化堂が京都駅からほど近いところにカフェをオープン。
前職を投げ打って、人生の挑戦です!
その話を聞いたとき、私は耳を疑いました。
だって、40半ばを過ぎた方が、人生をかけて再出発なんですから。
でも、ご本人はいたってクール。
冷静に自分の状況を振り返って、“やりたいことをやる”というとてもシンプルなプリンシプルに立ち返り、いざ京都へ。
すごいことです、私は本当に、尊敬しています。
そしてそれを後押しする奥様をはじめとするご家族の英断もまた、尊敬であります。
ということで、新幹線で京都駅へ。
そこから歩いても行けるのですが、この日は義理のお父さんが京都駅まで迎えに来てくれておりまして、一緒に向かいました、開化堂カフェへ。
お店の佇まいはこんな感じです。
この建物は、昭和2年(今から90年前)に建てられた京都市電の事務所兼修理場だったもの。町屋やお寺は遺そうという気風があるそうですが、ちょうどこの頃の建物は注目度が低く、京都でも姿を消しつつあるものだとか。そうなると逆に貴重ですよね。
入口もこんな感じ、いい雰囲気であります。
で、こっそり入って、こっそり注文して、そして店員さんに店長の川口さんを呼んでもらいました。
いやはや、ドキドキですよね、こういう再開!
で、珈琲を淹れてもらっているところを写真に納めたのでありますが、川口さん恥ずかしがるかと思ったら、意外に笑顔!
けっこうこれまでも取材を受けているそうで、今は写真馴れしているそうな!?
カメラ目線で笑顔!
自分の好きな世界に飛び込む、自分の好きな世界で生きる、そんなことを楽しんでいるような姿であります。
でも、入って直ぐのところで珈琲を淹れるなんて、ちょっと緊張するんじゃないかと思うんですけど、もうすっかりプロなんですね。
いやはや、すごい。
coffeeだけではつまらないということで、チーズケーキと、パン&ケーキのセットも。
こちらがチーズケーキ。
開化堂の茶筒をイメージしたのでしょうか?
おしゃれ。。
そしてこちらがパン&ケーキ。
そして肝心要のcoffeeであります。
淡い色の器に、漆黒のcoffeeが映えます。
そして飲んでみました、はい・・・。
あああ・・・。
なんだこの味は・・・。
とってもすっきりしていて、日本茶を飲んでいるときのような感覚がする。
coffeeの苦味をほとんど感じず、すぅっと身体にしみ込むような感じ。
何でしょう、この感覚。
coffeeを飲んでいて、こういう味わいを感じたことはないなぁ・・・。
不思議。
おいしい。
一緒に行った義理の母も、「淹れている人の人柄が出てるね」と一言。
うん、そんな感じです。
という感じで、とてもおいしいコーヒーをいただきました、合掌。
これからのお互いの健闘を誓い、固い握手をしてきました。
感動だなぁ、こうして再開できるとは!
京都にいらしたときは、是非とも開化堂のカフェに行ってみてください。
おいしい旅の思い出となることまちがいなしであります!
【撮影雑記・後記】
もう少しゆっくり写真を撮りたかったのですが、今回は嫁さんの家族と一緒だったこともあり、思い通りに動けなかったのであります・・・。
【撮影機材】
OLYMPUS OM-D E-M1-M1
OLYMPUS M.ZUIKO ED 12-40mmF2.8PRO
第7回 オトハル世代の〔ワタシのカラダのトリセツ講座 初級・秋編〕
昨年オトハルさんと『ワタシのカラダのトリセツ講座』をはじめて、あっという間に1年となりました。
初級からはじまり、さてさて今後はどのように展開していこうかと思案しておりますが、まだもう少し初級の話を聞きたい方もいらっしゃると言うことから、しばし初級編を続けていこうということに。
しかしそのままやってはオトハルらしくありません。
ということで、テキストを一新することに。
デザイナーの方を交えながら、より親しみやすく、分かりやすい表現へ。
9月11日に向けて、知恵を絞って鋭意制作中であります。
ということで、こちらがご案内となります。
みなさまのご参加をお待ちしております。
【開催概要】
オトハル世代の『ワタシのカラダのトリセツ講座』(初級・秋編)
プロ友講師:源保堂鍼灸院・院長 瀬戸郁保
http://www.genpoudou.com/
日時
2016年9月11日(日) 13:30~15:30
内容
・「秋の過ごし方」「体質とツボ」のお話しなど
・体質診断テスト
・個別の脈診
・薬膳部(講師:瀬戸佳子)からのアドバイス(薬膳レシピも)
・懇親会 オトハル世代に良い源保堂オリジナルハーブティと、 箱根の老舗和菓子屋「孫三・花詩」の和菓子で、皆様とご歓談
場所
源保堂鍼灸院
東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウム101
最寄りのご案内 → http://www.genpoudou.com/guide/gaccess.html
講座料金
5000円(税込み)
注)お支払いは当日受付にて現金でお願い申し上げます。
定員
13名(申込先着順)
準備の関係がありますので、お早めにお申し込みをお願いいたします。
※キャンセル待ちもできます。
※これまで受講された方も参加可能です。
申し込み先
entry@otoharu.com
上記メールアドレス宛に、下記記載事項を明記の上、お申込みください。
== 記載事項 ==
件名:0911オトハル塾『カラダのトリセツ講座』
本文
1) お名前(複数の場合は全員のお名前)
2) PCから連絡可能なアドレス(ただしGmailの場合はオトハルからのメールが迷子になるケースが見られるため、別アドレスが望ましいです。)
3) 平日の連絡先(電話番号)
4) どこからオトハル講座をお申込みいただきましたか?
(オトハル塾過去参加者からのご紹介の場合特典あり※紹介者のお名前をお聞かせください)
※キャンセルの場合は3日前までにお知らせください。
当日、あなたがどんどん笑顔になれるように。
オトハル塾スタッフ一同、源保堂鍼灸院の瀬戸郁保が、心をこめて準備しています。
お申し込みお待ちしています!
【ご参考に、前回の様子はこちらから】
『楽訓』を発見しました!
江戸時代の儒学者で貝原益軒と言えば、『養生訓』。
養生といえば、『養生訓』。
というくらい有名な『養生訓』であります。
が、私がもう一つ一押ししたい貝原益軒の著書が、晩年に書かれた『楽訓』。
この本は、当時としては長寿を向かえた最晩年の貝原益軒が、人生を楽しむ極意を書き記したもの。季節に沿って生きようとか、自然を愛でて生きようとか、なにより人生を楽しもう、人生は楽しむためにあるのだと、生きることを全面的に肯定した内容になっています。
源保堂鍼灸院のブログ『続・鍼たま』でも、この『楽訓』を解説してきましたが、その時に困ったのが原文が無かったことであります。
もちろん原文は江戸時代の言葉遣いなので分りにくいところもありますが、それでもやはりあの原文が醸し出す空気は、訳文だけでは伝わりません。現在私が知っている限りでは、『楽訓』の原文を納めている手ごろな本はないようです。
そんなこともあって、いつかは『楽訓』の原文を当たってみたいなと思っていたのですが、なんと、東急百貨店で行われていた古本市で発見!しかも江戸時代の和綴じ本です!
それがこちらであります。
実はこの本、昨年の同じ時期の同じ古本市で見つけたのですが、少々高いので購入するのを躊躇してしまったのです(高いと言っても、なんでも鑑定団に出すようなものではないんですけどね)。
下の写真を見ていただいても分るのですが、原文と言ってもこのように草書体でありますから、読めません・・・。これが読める範囲だったら資料として購入しても活用できるのですが、これでは先ず草書体の読み方から学ばなければというところでありまして、高い金額で購入しても、読めなければ意味がないし・・・と心の中で逡巡してその時は購入を取りやめました。
しかし、やっぱり原文です。
原文に当たることで見えてくる世界もありますから、やっぱりあるといいなぁ・・・。
と、ダメ元で一年ぶりに古本市に行ってみたのであります。
そしたらなんと、一年ぶりに『楽訓』に出会えたのであります!!
こんな運命は滅多にあるものではないと言うことで、今回はしっかりと購入させていただきました。
読めないまでも、ぱらぱらとめくりますと、このように挿絵なんかもあって、まるで当時にタイムスリップをするかの如しでありまして、なんだか手から伝わるエネルギーのようなものを感じます。
今後の研究材料として、大切に保管し、いつかしっかりと読み下したいと思います。
【『楽訓』の解説はこちらです】
『楽訓』関連の本
【にゃんこ先生の今日の養生(7)】 夏は身体の水分を入れ換える時期であります。
小満を過ぎ、芒種となりました。
芒種になりますと、いよいよ陽気が強くなってきます。
つまり、暑くなってきます。
この時期重要なのは、身体の水を入れ替えること。
身体の水分は60%と言われていますが、この水分は循環していなければいけません。水分が循環していない状況を、東洋医学では「水毒(すいどく)」と言いますが、これは、循環のない池の水がどんどん腐って澱んでいく状況であります。
澱んだ水で自分の身体を維持しているなんて、想像しただけでも気持ち悪いと思いませんか?
身体の水分が水毒という状況になりますと、体液の元が悪くなるわけですから、それが熱を持ったり、血液を汚したり、身体全体に悪いものが拡がってしまいます。何せ人間の身体は60%が水分なのですから。
夏は発散することにちょうど良い季節です。
自分のやる気や能力といった、人間の活動に良いものを発散する時期でもありますが、同時に、汚れたものをも発散できる季節。
身体にとって水分を外に出す機能は、多くはお小水でありますが、夏はそれに加えて汗を積極的に出すことが出来る季節。他の季節に比べて、水分の入れ替えにもってこいなのであります。季節の流れに沿うことが養生の基本ですから、それに合せて、汗腺を活発にし、汗を出すことを心がけるのが大事になります。
そして、もちろん失った水分を補給することも大切です。
新しい水分を補給することで、古い水分との入れ替えもしやすくなります。
この時期に入れ換えた新しい水分が、その先の身体の状況作りに影響をします。つまり、この季節の水分の入れ替えは、この先の秋冬のためでもあります。
最近は、電車でも会社でも、どこに行っても冷房や冷たいものが過度になっている時代です。そのため、これだけ暑くなっているにもかかわらず、意外と汗をかいていない(汗腺の開閉が不十分)ことも多く、それがために熱中症にもなりやすくなっています。熱中症を防ぐための冷房が、反って熱中症の原因にもなっているという皮肉であります・・・。
夏の暑さは、身体の水分を入れ換えるためのもの。
そう思えば、汗をかくことも大切だなぁと思ってもらえると思います。
水分を摂りながら、汗もかく、汗をかいたら水分も摂る、そんな感じで水の入れ替えを心がけながら生活していただきたいと思います。
【にゃんこ先生の今日の養生(6)】 ごろごろばっかりでは気の巡りが悪くなります
ゴロゴロするって、とってもしあわせですよね。
布団の中でぬくぬくぅっとしていると、とってもしあわせな気分になります。
休日などは特に、後もう少し、後もう少し、どうせ今日は休みだし、ゆっくりずっと寝ていたいのさ~なんて感じでゴロゴロゴロゴロ。
しかし、ゴロゴロし過ぎてなんだか頭が痛くなった経験がありませんか?
これは明らかに寝過ぎであります。寝過ぎによる体調不良なのであります。
東洋医学では、あまりにゴロゴロし過ぎると、肺の働きを弱めると考えています。
解剖学的に見ても、横になっている姿勢は肺循環には反って負担にもなったりします。
江戸時代の儒家であり、養生家でもあった貝原益軒は、その著書『養生訓』の中で、横になることをかなりの頻度で戒めております。
貝原益軒は、養生の大切さを後世に伝えただけではなく、人生を楽しく過ごすことをも奨励しました。積極的に陽発をして人生を楽しむ、そういった時間を増やす、そんな方だけに、惰眠を貪っている姿を見ることがとても歯がゆく思ったのかもしれません。
しかし、それ以上にやはり健康に対しての思いが強かったのでしょう。
そして、無意味にゴロゴロすることの身体への害を伝えたかったのではないでしょうか。
熊本の震災関連のニュースでは、エコノミークラス症候群で病院に運ばれている方が増えていると言います。これは、横になりすぎてしまって肺の気を損ねてしまったことが一つの原因だと思いますので、適度に外を散歩するなどしていただきたいと思います。
また、肺炎で入院した直後に体調を崩してそのまま亡くなってしまった・・・というお話しを聞いた方もあるかと思いますが、これなども同じ原理で起きております。肺炎の場合なども、横にばかりしているとどんどん肺の気が衰えてしまいますので、万が一入院した場合でも、適宜身体を起すことをしてみてください。
ゴロゴロし過ぎて頭が痛いなんていうのはもっての外!
気持ちの良い陽気を浴びに、カーテンを開けて外に出てみましょう!