『楽訓』を発見しました!
江戸時代の儒学者で貝原益軒と言えば、『養生訓』。
養生といえば、『養生訓』。
というくらい有名な『養生訓』であります。
が、私がもう一つ一押ししたい貝原益軒の著書が、晩年に書かれた『楽訓』。
この本は、当時としては長寿を向かえた最晩年の貝原益軒が、人生を楽しむ極意を書き記したもの。季節に沿って生きようとか、自然を愛でて生きようとか、なにより人生を楽しもう、人生は楽しむためにあるのだと、生きることを全面的に肯定した内容になっています。
源保堂鍼灸院のブログ『続・鍼たま』でも、この『楽訓』を解説してきましたが、その時に困ったのが原文が無かったことであります。
もちろん原文は江戸時代の言葉遣いなので分りにくいところもありますが、それでもやはりあの原文が醸し出す空気は、訳文だけでは伝わりません。現在私が知っている限りでは、『楽訓』の原文を納めている手ごろな本はないようです。
そんなこともあって、いつかは『楽訓』の原文を当たってみたいなと思っていたのですが、なんと、東急百貨店で行われていた古本市で発見!しかも江戸時代の和綴じ本です!
それがこちらであります。
実はこの本、昨年の同じ時期の同じ古本市で見つけたのですが、少々高いので購入するのを躊躇してしまったのです(高いと言っても、なんでも鑑定団に出すようなものではないんですけどね)。
下の写真を見ていただいても分るのですが、原文と言ってもこのように草書体でありますから、読めません・・・。これが読める範囲だったら資料として購入しても活用できるのですが、これでは先ず草書体の読み方から学ばなければというところでありまして、高い金額で購入しても、読めなければ意味がないし・・・と心の中で逡巡してその時は購入を取りやめました。
しかし、やっぱり原文です。
原文に当たることで見えてくる世界もありますから、やっぱりあるといいなぁ・・・。
と、ダメ元で一年ぶりに古本市に行ってみたのであります。
そしたらなんと、一年ぶりに『楽訓』に出会えたのであります!!
こんな運命は滅多にあるものではないと言うことで、今回はしっかりと購入させていただきました。
読めないまでも、ぱらぱらとめくりますと、このように挿絵なんかもあって、まるで当時にタイムスリップをするかの如しでありまして、なんだか手から伝わるエネルギーのようなものを感じます。
今後の研究材料として、大切に保管し、いつかしっかりと読み下したいと思います。
【『楽訓』の解説はこちらです】
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