【にゃんこ先生の今日の養生(4)】 顎は身体のバランサー
頭の重さは約5~6キロもあると言われています。これは、ボーリングの球と同じくらいの重さですが、あのボーリングの球が身体の最も高いところにあると想像すると、如何に首や肩などに無理がかかっていることがわかるかと思います。
最近ではパソコンやスマートフォンなどで、四六時中頭は下向き加減で固定されることを余儀なくされています。このような微妙な固定ではありますが、こういった小さな加重こそが、身体には大きな影響を与えるのであります。
この重い頭の加重をうまく調整してくれているのが、実は顎なのであります。
この顎の動きは、何センチというレベルで動くわけではないのですが、何ミクロンとか、何ミリとかという微妙な動きを無意識にしながら、頭の重さが身体にかかる力のバランスを取ってくれているのです。
しかし現代はストレス社会。常に歯を食いしばって顎がガチガチになっている人がほとんどであります。中には寝ているときにも力が抜けず、歯ぎしりやぐっと力が入ったまま寝ている人もおり、朝からへとへとという方も少なくありません。
このような状況が続くと、頭が重い、首が疲れる、肩がこる、といった症状が相次いで起きやすくなります。そしてそれが慢性化すると、頭痛や目の疲れといった様々な不定愁訴に拡がっていくこともあります。
では、その顎の力を抜くにはどうしたらいいか?
それは、顎のストレッチをすることであります。
パソコン作業をしているときなど、合間を見て大きく口を開けて顎のストレッチをしてみてください。顎の筋肉をストレッチして顎の力が抜けてくると、それだけで肩こりや首の疲れが取れることも多いです。
また、東洋医学的にお薦めなのは、舌の先を、上の歯茎と歯の間くらいに接しておくことです。これは、身体の中心を流れる任脉と督脉という二つの気の流れを結ぶことでもあり、小周天という身体の大きな気の流れを作ることになります。
こうして舌先を上顎の歯茎と前歯の間くらいにくっつけておくと、自然と首が正しい位置にいきやすくなり、顎の力も抜けてきます。ぜひ、やってみて欲しいと思います。
※ 舌先を、前歯を前に出すような当て方をすると、前歯が出てしまいます(出っ歯になる)ので気をつけてくださいね。