【にゃんこ先生の今日の養生(7)】 夏は身体の水分を入れ換える時期であります。
小満を過ぎ、芒種となりました。
芒種になりますと、いよいよ陽気が強くなってきます。
つまり、暑くなってきます。
この時期重要なのは、身体の水を入れ替えること。
身体の水分は60%と言われていますが、この水分は循環していなければいけません。水分が循環していない状況を、東洋医学では「水毒(すいどく)」と言いますが、これは、循環のない池の水がどんどん腐って澱んでいく状況であります。
澱んだ水で自分の身体を維持しているなんて、想像しただけでも気持ち悪いと思いませんか?
身体の水分が水毒という状況になりますと、体液の元が悪くなるわけですから、それが熱を持ったり、血液を汚したり、身体全体に悪いものが拡がってしまいます。何せ人間の身体は60%が水分なのですから。
夏は発散することにちょうど良い季節です。
自分のやる気や能力といった、人間の活動に良いものを発散する時期でもありますが、同時に、汚れたものをも発散できる季節。
身体にとって水分を外に出す機能は、多くはお小水でありますが、夏はそれに加えて汗を積極的に出すことが出来る季節。他の季節に比べて、水分の入れ替えにもってこいなのであります。季節の流れに沿うことが養生の基本ですから、それに合せて、汗腺を活発にし、汗を出すことを心がけるのが大事になります。
そして、もちろん失った水分を補給することも大切です。
新しい水分を補給することで、古い水分との入れ替えもしやすくなります。
この時期に入れ換えた新しい水分が、その先の身体の状況作りに影響をします。つまり、この季節の水分の入れ替えは、この先の秋冬のためでもあります。
最近は、電車でも会社でも、どこに行っても冷房や冷たいものが過度になっている時代です。そのため、これだけ暑くなっているにもかかわらず、意外と汗をかいていない(汗腺の開閉が不十分)ことも多く、それがために熱中症にもなりやすくなっています。熱中症を防ぐための冷房が、反って熱中症の原因にもなっているという皮肉であります・・・。
夏の暑さは、身体の水分を入れ換えるためのもの。
そう思えば、汗をかくことも大切だなぁと思ってもらえると思います。
水分を摂りながら、汗もかく、汗をかいたら水分も摂る、そんな感じで水の入れ替えを心がけながら生活していただきたいと思います。
【にゃんこ先生の今日の養生(6)】 ごろごろばっかりでは気の巡りが悪くなります
ゴロゴロするって、とってもしあわせですよね。
布団の中でぬくぬくぅっとしていると、とってもしあわせな気分になります。
休日などは特に、後もう少し、後もう少し、どうせ今日は休みだし、ゆっくりずっと寝ていたいのさ~なんて感じでゴロゴロゴロゴロ。
しかし、ゴロゴロし過ぎてなんだか頭が痛くなった経験がありませんか?
これは明らかに寝過ぎであります。寝過ぎによる体調不良なのであります。
東洋医学では、あまりにゴロゴロし過ぎると、肺の働きを弱めると考えています。
解剖学的に見ても、横になっている姿勢は肺循環には反って負担にもなったりします。
江戸時代の儒家であり、養生家でもあった貝原益軒は、その著書『養生訓』の中で、横になることをかなりの頻度で戒めております。
貝原益軒は、養生の大切さを後世に伝えただけではなく、人生を楽しく過ごすことをも奨励しました。積極的に陽発をして人生を楽しむ、そういった時間を増やす、そんな方だけに、惰眠を貪っている姿を見ることがとても歯がゆく思ったのかもしれません。
しかし、それ以上にやはり健康に対しての思いが強かったのでしょう。
そして、無意味にゴロゴロすることの身体への害を伝えたかったのではないでしょうか。
熊本の震災関連のニュースでは、エコノミークラス症候群で病院に運ばれている方が増えていると言います。これは、横になりすぎてしまって肺の気を損ねてしまったことが一つの原因だと思いますので、適度に外を散歩するなどしていただきたいと思います。
また、肺炎で入院した直後に体調を崩してそのまま亡くなってしまった・・・というお話しを聞いた方もあるかと思いますが、これなども同じ原理で起きております。肺炎の場合なども、横にばかりしているとどんどん肺の気が衰えてしまいますので、万が一入院した場合でも、適宜身体を起すことをしてみてください。
ゴロゴロし過ぎて頭が痛いなんていうのはもっての外!
気持ちの良い陽気を浴びに、カーテンを開けて外に出てみましょう!
第6回 オトハル世代のワタシのカラダのトリセツ講座 初級・夏編を開催
去る5月15日(日)、源保堂鍼灸院にて、『オトハル世代のワタシのカラダのトリセツ講座』を開催しました。
早いもので今回が第6回。
秋から始まった季節シリーズも、この日の夏編で一巡であります。
夏編と言うことで、もちろん私も予習をするわけですが、予習の段階でまず思ったのは、「日本の夏は簡単ではない・・・」ということであります。
春から夏という変化は、気温が高くなると言うことだけではありません。
厳密に夏は5月5日の立夏から8月7日の立秋までを指しますが、9月いっぱいまでの暑い日々を考えますと、「初夏」「梅雨」「真夏」「晩夏」の4つに別けると養生しやすいと思います・・・ということをお話ししていきました。
しかし、何だか私は今回テンションが高かったのか、ちょっと難しい話しもしてしまったりと、初級の範囲を超えてしまったような。
いやいや、“ような”じゃなくて、本気と書いてマジという感じで・・・。
そう言うときもあるだろうと許してもらいたいわけではありますけど、次回の反省点にしておきます。
さて、今回の目玉は「昼寝の仕方」であります。
とっても横着なのか、それともとっても合理的と言うべきなのか、寝ている間に気を巡らして健康になってしまおうという裏技。
恐らく私が知る限りでは、日本の養生書にはないと思います。
ということで、この昼寝の仕方、今回のオトハルに参加していただいた方にとって、一番のお土産だったのではないかと思うのであります。
その昼寝の仕方とは、こんな感じであります。
これ、右手と左手の手の当て方、足のクロスのさせ方がポイントなのですが、ちょっと口では難しいのであります・・・。
これをしますと、短時間でもかなり疲れが取れやすくなります。
会社の机でやることもできますので、昼休みにでも実践できるテクニック。
今回オトハルにご参加下さった方には、冗談とは思わずに、ぜひ実践していただきたいものでございます。
【にゃんこ先生の今日の養生(5)】 考えがまとまらなかったり、自分が行き詰まったときは、印堂を
日々いろいろなことを考えていると、だんだんとわけが分らなくなってきます。
わけが分らなくなってくると、自分のことばかり考えるようになります。
いいことを考えればいいのでしょうけど、こういう時は悪いことばっかりが目についてきてしまいます。
そんなことを繰り返しているうちに、自分が自分がと、自分の世界に迷い込んでいまいます。
ちょっとしたことでクヨクヨしたり、ちょっとしたことで腹が立ったり、ちょっとしたことで自分を責めたり・・・。自分中心の負の連鎖が続いていってしまいます。
こんな時は、「印堂(いんどう)」というツボを使ってみましょう。
自分の指で、トントントントンと軽くやさしく叩いてみましょう。
印堂から新しい気が入ってきて、濁ってしまった悪い気が外に出て行くようなイメージで。
【お知らせ】 第6回 オトハル世代のワタシのカラダのトリセツ講座 → 初級・夏編
ゴールデンウィークも終わりに近づきましたね。
ゴールデンウィークになると、陽射しも夏らしくなって、いよいよ夏がやってくるなぁと感じます。生き生きとした新緑を見ながら、皆様の心も身体もさらに活気づくのではないでしょうか?
来る5月15日(日)、『オトハル世代のワタシのカラダのトリセツ講座』の「初級・夏編」を開催いたします。早いもので、次回で6回目となります。昨年の梅雨明けにはじめた『オトハル・トリセツ講座』も、秋編、冬編、春編と続き、いよいよ今度の夏編で一年をぐるっと巡ってきたことになります。
この一年の流れは、四季を快適に過ごすための養生の基本になりますので、こうして春夏秋冬と、回を追って皆様とお勉強を続けて来られたことは、東洋医学による養生をお薦めしている者としても、ちょっと嬉しいことでもあります。
今回も、夏編に何を話そうかと資料をまとめてみたのですが、日本の夏は爽やかな初夏から始まって梅雨を挟み、そこから本格的な夏を迎えるので、かなり起伏の激しい季節になりますので、改めて夏の養生の大切さを認識しました。
夏を4つくらいに分けて過ごし、さらに、夏に消耗した体力回復のための昼寝方法などもお伝えしようかと思っております。
まだ空きはありますので、どうかご参加ご希望の方は、オトハル事務局までご連絡くださいませ。
オトハルスタッフ、源保堂鍼灸院スタッフ一同、皆様のお役に立てるようお迎えしたいと思います。
【開催概要】 〈カラダのトリセツ講座・第六回(初級・夏編)〉
日時 5月15日(日) 13:30~17:00(開場受付13:00)
内容紹介
◎講座:2時間
・季節のカラダの状況を知る(夏編)
・東洋医学基本講座 「気」「血」「水」についてのお話
・源保堂鍼灸院×オトハルオリジナルの体質診断テスト(基本体質チェック)
・体質からわかるセルフメディケーション講座
バランスをよくするツボを知る
バランスをよくする食材を知る
・国際中医薬膳師 瀬戸佳子から薬膳メニューレシピのお話
◎懇親会:講座終了後
・瀬戸から個別脈診
・質問コーナーという名のオトハル懇親会
・オリジナルハーブティと 箱根の老舗和菓子屋「孫三」の和菓子をご提供
場所
源保堂鍼灸院
東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウム101
場所のご案内 → こちらから
*最寄りの駅は「表参道」「明治神宮前」「原宿」です。
講座料金
5000円(税込み)
注)お支払いは当日受付にて現金でお願い申し上げます。
定員
13名(申込先着順)
※キャンセル待ちあり
※今回は夏の身体の準備なので、春編を前回受講された方にも役立つ内容です。
お申し込み方法
参加希望の方は以下のフォームからお申込みくださいませ。 http://otoharu.com/event_entry/
※キャンセルの場合は至急お知らせください。
※5日以内に必ず『ご参加の可否』を事務局からお返事しております。